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 FRPの成型方法 - 第四章 FRPの作成手順 その2


■この章では一般的な作成手順(製品作成以降)について紹介していきます。
 

◆FRP製品作成

  1. メス型への離型処理A
    完成したマスターに対して離型剤A(HB-KEM100)を塗りこんでいきます。
    塗りこみ方はティッシュやウエスに離型剤Aを少々含ませ車のワックスを塗るようにメス型の内側全体にまんべんなく塗り広げます。
    乾燥後、乾いたタオルやティッシュ等で拭き上げてやります。
    初めて使用するメス型はこの作業を7〜8回繰り返します。
    この作業でメス型表面の微細な隙間を埋め、マスターとFRPのくっつきを防ぎます。

    ※離型処理Aは車のワックス等で代用する方もいますが当方ではあまりお勧めしません。
    理由は「次の工程の離型剤Bを弾いてしまう」「離型性能が専用品に比べると劣るのでせっかく苦労して作ったメス型を台無しにしてしまうことがある」ということがあります。

  2. メス型への離型処理B
    離型処理Aが終わったメス型に対して離型剤B(HB-PVA100)を塗りこんでいきます。
    塗り方は刷毛やエアガン等を用いて離型剤をメス型の表面に1度塗っていくだけです。
    この作業でメス型の表面に薄いビニール皮膜を形成してメス型とFRP製品のくっつきを防ぎます。

  3. ゲルコートの塗りこみ
    離型剤Bの乾燥後、メス型の表面に硬いゲルコート皮膜を作成します。
    ゲルコートには表面硬度を上げて傷を防ぐ役割と表面に現れる気泡を防ぐ役割があります。
    ゲルコート(HB-GL40)硬化剤(HB-PEM100)を混ぜ、刷毛やエアガンでメス型の表面に塗っていきます。
    ゲルコートは20分〜1時間(条件による)で硬化するので硬化前に続けて次のFRPも貼り付けていきます。
    ゲルコートの色は白・黒・透明と3種類ありますが通常は白でOKです。

  4. FRPの貼り付け
    ガラスマットと樹脂をメス型に貼り付けていきます。
    表面にゲルコートを塗りつけたメス型にガラスマット(HB-GM380)をのせ、硬化剤(HB-PEM100)を適量混ぜたFRP用ポリエステル樹脂(HB-PS40)を含ませたローラー(HB-ROL2)でガラスマットに樹脂を浸透させていきます。
    樹脂が硬化する前に次々とガラスマットを重ねていきます。
    ガラスマット全体を樹脂を塗りこみますが出来る限り樹脂の量は少ない方がFRPの強度があがります。
    ガラスマットは求める強度にもよりますが通常3〜4プライ(3〜4枚重ね)程度あればOKです。

  5. FRP製品の脱型
    メス型に貼り付けていったFRPが硬化したらマスターからFRPをはがしていきます。
    FRPに傷がつかないようにゴム製のへらや布を巻いたマイナスドライバー等を使って少しずつ空気を入れていって剥がしていきます。


FRP製品の完成

脱型後、FRP製品の仕上げを行います。
ここでは塗装仕上げについて説明します。

  1. 形状の仕上げ
    脱型後、不要な部分をグラインダー等でカットしますが硬化直前の少し固まりかけた状態の時ならカッターナイフで簡単にカットできるので作業が楽になります。

  2. 小穴等の修正
    FRPの表面に気泡等による穴が出来ていたり形状が出来ていない部分はパテを使って修正します。

  3. 脱脂と足付け
    FRPの表面には離型剤が残っているので塗装ののりが悪くなります。
    塗装面を細かい紙やすりで表面を磨いて塗装の食いつきを良くし、アセトンやシンナー等でで塗装面を拭いて残っている離型剤を取り除きます。

  4. 塗装
    サーフェーサーを下地に塗ったあと塗装の仕上げをします。

 

以上でFRP製品の完成です。
メス型は壊れていなければ数回は使用できますので何個かはFRP製品が作れます。


 

 

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